やはり、完成は見えると遠のく 2014年09月18日 ハクビント鋳造工房 0 それは数日前のこと坩堝の中で金属が固まってしまいました。途中で雨にやられたものの、ちゃんと焼き上げた鋳型。天気さえ良ければ窯で失敗はしなくなりました。新しい火床も順調で、いよいよ私の日本の鋳造貧乏技法完成なるか!と思っていたのです。すると、坩堝の中の金属は溶けたものの、途中で温度が上がらなくなりコークスを足し足し、延長戦へ。温度は下がる一方。どうしようもなく泣く泣く断念。鋳込みの途中で諦めたのは、インドネシアで前に一回。忘れもしないあの悲劇の坩堝割れ事変です。悲劇の坩堝割れ事変前から思っていたけれど、鋳造技術というのはちょっとでも調子に乗るといけないのです。うまく行くかもなんて絶対思っちゃだめなのです。図に乗ると、すごいしっぺ返しをされます。これでもかというくらい謙虚に謙虚に、鞴神さまにお神酒を捧げ、坩堝さまに金属を入れてコークスさまに火をつけなければならないのです。 中断したあと、鋳込みをしていた場所をきれいにきれいに片付けました。猫が荒くれだった気持ちを落ち着けるために、突然する毛づくろいのようなもの。 PR