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monasuky

monasukyのJagung Bakar。インドネシアの空の下で鋳金作品を猫と一緒にトウモロコシを焼きながら諦めずに作る、その記録。されど技法、なかれど技術、永い道のり完成は見えると遠のく。

Domani展「台形上の言葉」


Domani展で一番最新の作品を含む作品群です。

台形上の言葉というタイトル

台形の台に苦戦したので、台形上の...
というところまですぐに決まりました。G線上のアリア という言葉はきれいなので、アリアみたいな音がいいと思ったのですが、なかなかありません。台形上のに続く言葉を何十個も並べて考えたのですが、どれもちゃんと嵌まらないので、「ひー!!いい言葉がないーー!!!」となり、言葉になりました。

漆との相性

漆の美しいお皿を捧げている鳥と、頭に乗せて運んでいる女がいます。
そのお皿は漆芸家 中村真 さんからお借りしているものです。
昨年11月の二人展 曖昧な景色 の時に制作しました。
漆とブロンズの相性はよいなぁと思いました。ぜひじろじろ観てください。

最新作

向かって右端にいるもうだめだ鳥です。
もうだめだ、もうだめだと鳴くので、疲れてる時には近くにいるだけでウンザリします。
この鳥を作る時、鋳造に2度大失敗をし、私ももうだめだと何度も思いました。3度目にこの世に生を受けることができた鳥です。

一番古い作品

台形のガラスケースに入ったブロンズパパイヤです。
インドネシアに留学して、借りた家に中庭がありました。パパイヤを食べて種を庭にポイしたら、芽が出て、木になって、パパイヤがいっぱいできて落ちて来ました。恐るべし南国。飢え死にはしないかもしれないと最初に思った出来事です。大学の実習で鋳造したいものを持ってくるように言われました。粘土も彫刻刀も材料も何にも持っていなかった私は庭のパパイヤを持って行きました。すると鋳造職人に「何でこんなパパイヤを作りたいんだ!?それならうちの庭のパパイヤの方が立派だ(のようなこと)」を言われ、おじさんのバイクの後ろに乗ってすぐ近くの家へ行きました。棒で次々パパイヤを落とすのです。その中から好きな形を選びそのパパイヤを抱えてバイクの後ろに乗って戻りました。その家と鋳造工房の距離が30m位だったことも印象的でした。なんで歩かないんだろうか。
そんな思い出深いパパイヤなのですが、完成してからどうも作品として納得がいかずグランダーで半分に切って、布でパパイヤの中身を作りました。インドネシアの大学のでの学期末展覧会の時、ちょうど正露丸がパパイヤの種に似ていたので、正露丸を入れて提出するとみんなが臭がりました。日本の薬だと言うと、日本の薬はこんな臭いのかと驚いていましたが、当時の私のインドネシア語力ではそれ以上説明することも出来ませんでした。
domani展では中身をお見せ出来ないのが残念ですが、探してみてください。
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